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第4次地域福祉計画(令和9〜13年度)の論点

令和8年度中に策定。第1次から第3次までの計画本体、厚生労働省の全国調査、離島・小規模自治体6件の計画を一次資料で突き合わせ、第4次と壱岐市社会福祉協議会の第2期地域福祉活動計画で論点になる事柄を並べた。

調査基準日 2026年9月16日。壱岐市の数値は第1〜3次の計画本体から。全国値は厚生労働省の令和7年4月1日時点調査。他自治体は計画本体で確認できたものだけを載せている(Ⅰ章)。

このページは地域福祉計画1本を深掘りしたもの。福祉分野の計画どうしの関係、改定期の重なり、所管課のずれ、県計画との整合は 地域福祉計画と関連計画の体系整理 にある。

先に結論

35.9%
全国で計画に評価指標を明記(定期点検している1,050市町村中)
壱岐市は第1〜3次とも0本
15.4%
困ったとき「市の相談窓口や職員」に相談(第3次)
中高生は0.9%、民生委員は5.5%
16.6%
地域行事に「進んで参加・協力している」(第3次)
第2次は26.2%、中高生は12.0→2.9%
2027年度
第4次の初年度に改正社会福祉法が施行
重層の実施計画に目標と達成状況の評価が条文で入る
586市町村
重層的支援体制整備事業を実施(令和8年度・予定)
令和3年度は42、令和7年度は471。全1,741の3割強

地域福祉計画には、定期的に調査・分析・評価を行う努力義務がある(107条3項)。ただし条文は、何をどう測るかまでは書いていない。全国でも、計画に評価指標を明記しているのは定期点検している市町村の35.9%にとどまる。壱岐市の3版も指標は置いていないが、住民に何を聞いたかは詳しく残っている。第4次は、その蓄積の上に、社協の第2期活動計画の検討と初年度の法改正が重なる版になる。あわせて、包括的な支援体制の型を選ぶ判断もある。重層的支援体制整備事業を選べば、実施計画に目標と達成状況の評価を書くことになる。3版のアンケートと、市がすでに毎年集計している数字が、そのまま候補になる。

本ページは公開資料のみを用いた IKILAB の独立した整理であり、壱岐市および壱岐市社会福祉協議会の見解ではありません。数値は各計画本体から引いています。出所を確認できなかった記述は載せていません(Ⅰ章)。

Ⅰ. 何を使い、何を落としたか

この整理は外部で作成された下書きを一次資料と突き合わせて組み直したもので、照合できなかった記述は落としている。落とした量は少なくないので、先に方法を示す。

資料使い方確認
第1次壱岐市地域福祉計画平成24年3月。市民意識調査は中学生以上4,895人を対象とした単一調査(有効回答2,195、有効回収率44.8%)SHA-256 0dfcbb58…
第2次壱岐市地域福祉計画平成29年3月。市民(18歳以上)と中高生を別建てで調査。市民 発送2,000・回収759(38.0%)/中高生 配布508・回収508(100.0%)SHA-256 a0b239d2…
第3次壱岐市地域福祉計画令和4年3月。市民 n=803/中高生 n=448。成年後見・再犯防止の2計画を包含SHA-256 f56748ff…
全国値厚生労働省「地域福祉(支援)計画策定状況等の調査結果概要(令和7年4月1日時点)」。1,741市町村・回答率100%SHA-256 440c0e18…
他自治体計画本体で確認できた6件のみ(Ⅳ章)。石垣市・五島市・対馬市・和泊町・東郷町・竹富町。五島市・対馬市の詳しい比較は 離島3市の地域福祉計画各章に出典

照合で守ったこと

  1. 数値は原本から。要約や報道ではなく計画本体・調査結果の原本に当たる
  2. 鉤括弧の中は一字一句。言い換えたものは鉤括弧に入れない
  3. 母集団が違うものを一本の系列にしない。違う場合は本文で断る
  4. 公表値と自前の再計算を混ぜない。再計算したものはそう書く
  5. 「案」の段階の資料は、案と書く

落としたもの

  1. 根拠が原本に無かった論点1件(社協が市に先行して計画を持つ、という型。挙げられていた指針にその字句も型も無い)
  2. 計画本体で確認できなかった他自治体の具体的な数値(10件以上)
  3. 原本に存在しない字面の引用
  4. 出所を特定できなかった全国統計

照合の全記録は GitHub の照合記録 にある。

10月10日のワークショップ。市の告知「地域福祉計画ワークショップの開催(参加者の募集)について」(更新日 2026年9月1日)による。令和8年10月10日(土曜日)14時〜(2時間程度を予定)、石田農村環境改善センター 大集会室。対象は満18歳以上の住民、定員25名程度、申込多数の場合は抽選。参加申込は9月25日(金曜日)17時まで。オンライン申込と電話・ファックスの2種類。問い合わせは市民福祉課地域福祉班(0920-48-1116)。

Ⅱ. 3版が測ってきたもの

住民に何を聞いたかは、3版を通してよく残っている。一方で、聞いた結果を追う目標は置かれていない。

母集団の断り。第1次は中学生以上を含む単一調査(N=2,195)、第2次・第3次は18歳以上の市民調査(n=759/n=803)。第1次の値だけ中高生を含むため、3点を一本の系列として読むことはできない。第2次と第3次の比較は母集団が揃っている。

設問第1次
H23・N=2,195
第2次
H28・n=759
第3次
n=803
地域行事に「進んで参加・協力している」22.6%※26.2%16.6%
同(中高生)―12.0%2.9%
ボランティア「したことがない」45.8%※48.0%52.9%
福祉サービス情報を入手できている―43.4%44.5%
災害への備え「特に何もしていない」―68.8%55.7%
「地域」の範囲=自治公民館―36.5%―
同=小学校区―21.9%―
社協を「名称も活動内容も知っている」―40.1%38.6%※※
同(中高生)―8.7%7.1%※※
ボランティアセンターを同―12.3%―※※※
社協だよりの閲読率―76.9%―※※※

※ 中高生を含む単一調査のため、第2次以降と直接比較できない。中高生のボランティア未経験率は第2次で24.4%と市民より低く、第1次の45.8%は押し下げられている側。
※※ 第3次の38.6%・7.1%は資料編ではなく本文 p.54(第3章 基本目標2「2.地域全体で支え合う体制の確立」の【現状・課題】)にある。第3次の資料編は「アンケート結果(一部抜粋)」で社協の設問を落としているため、資料編だけを見ると「第3次では測っていない」と読めてしまう。第2次の40.1%・8.7%はp.62・別年次の同じ設問。なお第2次 p.62 では市民の「名称も活動内容も知らない」が7.1%で、第3次の中高生の値とたまたま一致する。
※※※ ボランティアセンターの認知と社協だよりの閲読率は、第3次には数値の記載がない。

第3次で分かること ― 相談先は家族と友人

困ったときの相談相手(複数回答、n=803)。

家族・親族88.9%
友人、知人47.9%
市の相談窓口や職員15.4%
社会福祉協議会10.2%
民生委員・児童委員5.5%

中高生(n=448)は 友人88.8% / 家族76.3% / 学校の先生22.5% に対し、市の相談窓口0.9%・民生委員0.4%。中高生の悩みは「自分の将来のこと」65.8%が突出している(第2位は学校での人間関係25.7%)。

第3次で分かること ― 地域の問題点は移動

住んでいる地域の問題点、不足していると思うもの(複数回答、n=803)。

身近な交通手段がない27.0%
近所付き合いが減っている22.7%
地域での交流機会が少ない22.4%
地域活動への若い人の参加が少ない20.9%

第3次はこの結果を受けて、移動支援を基本目標の中の一項目として扱っている。独立した柱ではない。

第3次はアンケートの章に数値を置かず、「8割弱」「4割強」「他を引き離して第1位」という表現で書いている。第2章第2節「アンケート結果」(p.27-29)がそれで、数値は資料編(p.75-89)にある。ただし施策の章の【現状・課題】には、上の38.6%・7.1%のように数字で出てくるものがあるため、資料編だけを見て「載っていない」と決めるのは早い。第2次は参考資料に設問ごとの図表を全掲載していた。数値がどこに置かれるかは、版によって違う。

Ⅲ. 全国の中で、壱岐市はどこにいるか

厚生労働省の令和7年4月1日時点調査(1,741市町村、回答率100%)と突き合わせる。公表値をそのまま使い、分母を置き換えていない。

項目全国壱岐市
地域福祉計画の策定全体 88.6%(1,542/1,741)
人口1万〜5万人 91.0%/1万人未満 75.7%
策定済(第3次まで継続)
社協の活動計画との関係一体的に策定 42.3%
連動させて策定 46.0%
課題把握・ニーズ調査は一体 14.7%
社協が未策定 11.6%
別建て。社協の第2期は検討中。令和5・6年度の事業計画は「地域福祉活動計画第2期の策定」を掲げたが、令和7年度でも「調査・研究の取り組み…②第2期『地域福祉活動計画』策定の検討」とされている
評価指標の明記35.9%(377/定期的に点検している1,050市町村)
定期点検の実施は 68.1%(1,050/1,542)
第1〜3次とも設定なし
圏域の整理62.2%(959/1,542)第3次は近隣地域(自治公民館)/地区(小学校区)/全市の3層+旧4町
成年後見計画との一体策定54.8%(845/1,542)第3次に包含(成年後見・再犯防止の2計画)
地域防災計画との連携「特に連携、関連させていない」45.1%(696/1,542)―

評価指標の 35.9% は「定期的に点検している1,050市町村の複数回答」に対する公表値。策定済み1,542で割った 24.4% という数字を見かけることがあるが、点検していない492市町村はこの設問を聞かれていないため、それは率ではなく下限にすぎない。ここでは公表値を使う。

Ⅳ. 他の自治体における参考事例

他自治体の記述は、計画本体に当たって確認できたものだけを載せる。確認できなかったものは数値ごと落とした。

自治体確認できたこと出典の段階
石垣市
沖縄県
市と社協が一体的に策定(社協会長の「はじめに」に「本会が石垣市と一体的に策定しました」、表紙は連名)。個別施策ごとに〔評価指標と目標値〕の表を置く構造で、計画全体で15表、基本目標1だけで8表。うち3本は次のとおり(現状値2022→目標値2027)。
・民生委員・児童委員の充足率 61.6%→100%
・ボランティア活動等に参加している市民の割合 25.6%→40.0%
・地域住民がお互いに協力して住みよい地域にしていかなければならないと思う市民の割合 85.5%→90.0%
計画本体
令和5年3月
五島市
長崎県
表紙は五島市/五島市社会福祉協議会の連名。策定委員会は「住民等の代表として、市民公募、学識経験者、社会福祉関係者など8名」。圏域は4階層(第1階層 組・班/第2階層 町内会/第3階層 福祉区(地区・公民館)/第4階層 全市)。重層的支援体制整備事業実施計画を第6章として章立てし、社会福祉法106条の5第1項に基づく実施計画と位置づけている
3市の比較は 長崎県の離島3市の地域福祉計画。第4章の指標 56本の全件は同ページの付表A
計画本体
令和4年3月
和泊町
鹿児島県
住民アンケート(18歳以上1,000人、令和7年8〜9月、回収415件・有効回収率41.5%)で、日常生活が不自由になったとき欲しい手助けの第1位が「外出(買物・通院など)する時の手助け」41.9%。これを受けて施策体系に「施策4 外出・移動支援【新規】」を置いた 計画本体
令和8年2月
竹富町
沖縄県
住民アンケート(18〜85歳、令和7年5〜7月、987件配布・406件回収41.1%)で、居住地域の問題点の第1位が「移動が不便」45.8%。町長が各地区を訪ねる「ゆんたく会」を世代別×地区別に開催(子育て世代6地区=西表東部・西表西部・竹富・小浜・黒島・波照間、高齢者5地区=黒島・古見・美原・上原・波照間) 計画本体
令和8年3月
東郷町
愛知県
成果指標を基本目標ごとに1つ置き、いずれも意識のアウトカムにしている。地域福祉への関心 65.8%→76%/「何か困ったときには、相談し、助け合える」「簡単なことであれば、困ったときに相談し、助け合える」人の割合 31.8%→42%/ボランティア等に参加したことがある人の割合 11.5%→20%。評価は2本立てで、実施目標は毎年度の進行管理と中間年度・最終年度の外部評価、成果指標は次期計画策定前のアンケート再調査による 計画本体
第1次地域福祉
グランドデザイン
対馬市
長崎県
表紙は対馬市・対馬市社会福祉協議会の連名で、表題に「地域福祉活動計画」を併記。第5章「地区ごとの地域福祉」で旧6町ごとに人口と住民の声を1ページずつ置く。第7章が社協の実施計画で、事業ごとに現状(令和3年度)と令和9年度の目標を並べた表(数値目標 21本)。市の第4章に数値目標は無い。第8章3「毎年度、対馬市、対馬市社会福祉協議会の施策・事業の評価結果を含めた現状確認や進捗状況、今後の推進の方向性について総合的に検討することとします。」
3市の比較は 長崎県の離島3市の地域福祉計画
計画本体
令和5年3月

段階の断り。竹富町・東郷町とも、当初は策定途中の資料(竹富町は「最終案」、東郷町は策定委員会の会議資料)を見ていたが、いずれも計画本体で取り直した。竹富町の確定版は令和8年3月策定で、最終案とは章立てが違う(アンケートの数値は同じ)。なお竹富町は町として初めての地域福祉計画・活動計画で、運用の実績があるわけではない。東郷町の会議資料にあったA〜Eの5段階は本体では採られておらず、上記の2本立てに変わっている。
石垣市は、第2章「第2次計画の評価」にも同名の【評価指標と目標値】表があり、そちらは目標値の年が2022(第2次の最終年)。同じ指標が両方に載るので、取り違えに注意。

竹富町の45.8%は壱岐市の27.0%と同種の設問(どちらも「地域の問題点」を問い、選択肢に移動・交通がある)。和泊町の41.9%は設問が違う(「日常生活が不自由になったとき、どのような手助けをしてほしいか」)ので、同じ列には並べていない。

Ⅴ. 第4次の初年度に、制度が変わる

改正社会福祉法(令和8年法律第51号、令和8年6月25日公布)は原則として令和9年4月1日施行。第4次の計画期間は令和9年度からなので、初年度に重なる。ただし条項ごとに施行日が違う。

用語

「重層」=重層的支援体制整備事業(社会福祉法106条の4)

令和2年の社会福祉法改正(令和2年法律第52号)で創設、令和3年4月施行。包括的な支援体制を整備するための手段の1つで、市町村が「行うことができる」任意の事業。新しい窓口を作るのではなく、介護・障害・こども・生活困窮の4分野に分かれている既存の事業を束ねて一体で運用するのが中心にある。

中身は3つで、厚生労働省の資料は「以下を全て実施」と書いている。

  • ①包括的相談支援事業 ― 介護=地域包括支援センターの運営/障害=障害者相談支援事業/子ども=利用者支援事業/困窮=自立相談支援事業
  • ②地域づくり事業 ― 介護=一般介護予防事業・生活支援体制整備事業/障害=地域活動支援センター事業/子ども=地域子育て支援拠点事業/困窮=生活困窮者支援等のための地域づくり事業
  • ③多機関協働事業等 ― 多機関協働/アウトリーチ等を通じた継続的支援/参加支援

高齢者分野の地域包括ケアシステムとの関係(別の法律・別の対象、地域包括支援センターは重層の内側)と、国の2つのアプローチとの対応は 地域包括ケアと重層的支援体制 に整理した。

お金と、広がり方

一括交付金。5年経つと市の負担が上がる

財源は一括交付金。①②は各法の負担割合を維持し、③は国1/2・県1/4・市町村1/4。ただし事業開始から5年経過すると国1/3・県1/3・市町村1/3に下がる(令和8年度から、取組に応じた加算の仕組みにも変わる)。交付金の令和8年度当初予算案は844億円。

実施市町村は 42(令和3年度)→ 471(令和7年度)→ 586(令和8年度・予定)。1,741市町村の3割強で、多数派ではない。

厚生労働省自身、多機関協働事業者にケースが任せきりにされる状況を課題に挙げ、「事業趣旨に沿った評価指標の導入等により、事業の質の向上を図る」としている。

施行内容条文第4次・第2期に効くこと
2027.4.1 市町村地域福祉計画・都道府県地域福祉支援計画の記載事項に、保健医療・労働・教育・住まい・地域再生・防災に関する施策、消費者の利益の擁護及び増進に関する施策その他の関連施策との連携に関する事項を追加 107条1項6号
108条1項6号
第4次の記載事項そのものが増える。全国では地域福祉計画と地域防災計画を「特に連携させていない」市町村が45.1%(696/1,542)。あわせて国・地方公共団体の責務(6条2項)にも同じ2施策が加わる
2027.4.1 支援会議を組織することができる旨を規定 106条の3の2 重層をやっていなくても置ける。第4次で位置づけるか決める
2027.4.1 重層的支援体制整備事業実施計画の記載事項に目標に関する事項と達成状況の評価に関する事項を定め、定期の調査・分析・評価を努力義務化 106条の5 重層を選ぶなら、実施計画に目標(機能の強化・連携の促進の2つ)と達成状況の評価を書くことになる。ただし条文の語は「指標」ではない。地域福祉計画のほうは、改正前から定期の調査・分析・評価が努力義務(107条3項)。壱岐市の3版も、評価に使う指標までは置いていない
2027.4.1 小規模市町村地域支援連携協働体制整備事業を新設。相談支援・地域づくり・連携協働の促進を一体の事業として実施できる 106条の6 重層のフルスペックが難しい場合の第3の道。「重層をやる/やらない」の二択が三択になる
公布から
2年以内
政令で定める日
福祉サービス利用援助事業の対象と中身を広げる。対象を「精神上の理由又は近隣に居住する家族がいないことその他の理由により日常生活又は社会生活を営むのに支障がある生計困難者」とし、福祉サービスの利用援助に加えて保健医療サービスと葬祭その他の死亡した場合に必要なサービスの利用援助を行う事業に改める 2条3項
12号
2027年4月1日ではない。最長で2028年6月まで。新しい事業種別ができるのではなく、社協が現に実施している日常生活自立支援事業の根拠条項が広がる(第3次 p.65)。第2期の事業計画で扱うなら、施行時期は幅で書くことになる
2028〜29
見込
民法等改正(令和8年法律第45号、2026年6月24日公布、公布から2年6月を超えない範囲で施行)。後見・保佐・補助を「補助」に一元化 ― 「制度利用ありき」から「必要な期間だけ」への前提転換。後見センター壱岐(令和3年7月・社協内)の位置づけに関わる

出典は厚生労働省「社会福祉法等の一部を改正する法律の公布について(通知)」社援発0625第10号ほか(令和8年6月25日、介護保険最新情報 Vol.1518)。記載事項の追加は同通知 第1-5(6)(第107条第1項第6号・第108条第1項第6号関係)。施行期日は同 第10-1により、そこに掲げられていないものは原則の令和9年4月1日。

Ⅵ. 決める順番

前が決まらないと後ろが決まらないものだけを並べる。

  1. 圏域を1つに揃えるか決める。旧4町(民児協・支所の単位)か、小学校区か、自治公民館か。第3次は3層+旧4町を明文化しているが、アンケート・施策・統計の単位は揃っていない。五島市は4階層を明示し、第3階層に福祉区(地区・公民館)を置いている。対馬市は第5章を旧6町(厳原・美津島・豊玉・峰・上県・上対馬)の地区別にし、人口と住民の声を1ページずつ置いている。揃えないなら、地区ごとの点検は回らない
  2. 重層的支援体制整備事業の取り扱いを三択から選ぶ。①重層的支援体制整備事業 ②2027年4月新設の小規模市町村地域支援連携協働体制整備事業 ③既存制度の活用。②は制度がまだ動き出していないため、県への照会が要る。前提として、第3次が書いた「3つの支援を一体的に実施」がどこまで進んでいるかの確認が要る
  3. 指標を何本置き、誰が毎年測るか決める。107条3項は改正前から定期の調査・分析・評価を努力義務にしており、重層を選べば実施計画に目標と達成状況の評価まで書くことになる。壱岐市は第3次の第2章に、老人クラブ会員数・ボランティアの人数・避難行動要支援者数の5年分の推移と、高齢者サロンの数(単年)を載せている。新しく測るものを作らず、いま測っているものを目標化するのが確実。石垣市は個別施策ごとに指標を置き、東郷町は意識のアウトカムを基本目標ごとに1つ置いている
  4. 第2期の期間・圏域・指標を、第4次に合わせるか決める。合わせるなら、市の受託事業者が組む調査の設問に社協の問いを入れてもらう交渉が先に要る(全国では「課題把握、ニーズ調査は一体的に行っている」が14.7%)。合わせないなら、連携は言葉だけになる
  5. 合同で点検する場を約束する。壱岐市地域福祉計画策定委員会設置要綱(平成23年9月22日告示第91号)第4条は委員の任期を5年以内と定めており、委員会は策定後も存続できる構造になっている。ここに年1回の合同点検を載せられれば、3つ目の会議体を作らずに済む

Ⅶ. 10月10日のワークショップでの確認事項案

「地域の課題は何ですか」から始めると、15年分と同じ答えが出る。上の論点を住民に返せる形にしたもの。

主題問いなぜこの形で聞くか
移動この1年で、行きたかったのに行けなかった場所はどこですか。何があれば行けましたか。「交通が不便」ではなく、行けなかった具体の場所と回数を集める。和泊町が新しい施策を立てた根拠の作り方
相談近所の人から困りごとを打ち明けられたとき、あなたはどこに繋ぎますか。繋ぎ先を知っていますか。窓口の認知ではなく、家族・友人(相談相手の88.9%と47.9%)が中継できるかを測る
単位あなたにとって「地域」はどこまでですか。隣近所、自治公民館、小学校区、旧町、島全体のどれですか。第2次で一度聞いている(自治公民館36.5%/小学校区21.9%)。10年後の変化が圏域設定の根拠になる
担い手今、地域で何か役を持っていますか。あと何年続けられそうですか。誰に引き継げそうですか。「担い手不足」を年数と後継者の有無で数字にする
島外島の外に出ないとできないことで、負担に感じていることは何ですか。年に何回、いくらかかりますか。通院・研修・手続き。壱岐市の3計画には島外通院や欠航に関する記述が見当たらない
災害大雨で避難が必要になったとき、あなたの近所で誰が動けますか。動けない人は誰だとわかっていますか。「特に何もしていない」55.7%を、個別避難計画に進めるための実感データ
社協社会福祉協議会は何をしている団体だと思いますか。使ったことのあるサービスはありますか。第2次では「名称も活動内容も知っている」が40.1%。第3次は本文 p.54 に市民38.6%・中高生7.1%とある(資料編には設問なし)
15年15年前と比べて、この島で暮らしやすくなったこと・しにくくなったことは何ですか。地域行事への参加は26.2%→16.6%に落ちた。その体感を言葉で受け取る

出た言葉の行き先を先に決めておく。第2次は参考資料に「住民ワークショップのとりまとめ結果」(p.71-76)を置いた。第3次でその章は無くなり、資料編は「アンケート結果(一部抜粋)」に替わっている。記録の置き場を決めないと、次の版で消える。